吉高由里子式ポエム
暗い夜道を前も見ず
手元の画面でGunosyを見て歩く
ファミマに入る
携帯を弄りながらまっすぐカップが並ぶ一角へ
スープDELI
158円
レシートのたまった財布から100円玉と50円玉と10円玉
Tポイントカードは持ってるけど出さない
出せとも言わないアラブ系の店員
ムタシルさん
ファミマを出るといい年した男女が手を繋いでファミマに入るところだった
家に向かって六本木の狭い歩道を歩く
すれ違いざまに刺される
一瞬息が止まり、焼けるような息と一緒に血が出る
そこまで想像して、肩がぶつかってすれ違う
家につくと
クレジットカードの請求書が入っていた
65,850円
今月の残金で持ち越しは難しい
4万くらいは使ったことを覚えている
あとは何者かが垂れ流したとしか思えない
隙間風が入って漏れ出て行くクレジットカード料金
セックスしたいと思ったけどセフレが生理だった
別のセフレには彼氏ができていた
昨日遊んだ女の子は普通すぎてLINEを返す元気がない
日付が変わる寸前から映画を観始める
お湯が湧くのを待ちながら
携帯を弄りながら
映画の中で純愛の女性が言う
「ほんとは彼と暮らしたかった」
スクリーンの手前の僕は無表情でスープを啜る
DVDに記録された映像は光を通して信号に変換され、1mのHDMIケーブルを通して28インチの液晶に映し出される
僕は無表情で信号を見つめる
信号は光となって、空気を通って僕の瞳孔を通過して眼底に到達し、別の信号としてケーブルを通って脳に到達する
めりはりのない生活が、めりはりのない時間をまき散らし、めりはりがなく通り過ぎて行く
くっだらねえ生活。
メモ書きを文章に繋げる気力もないくっだらねえ生活
吉高由里子式ポエム